フレンチを提供すると思わせて寿司を死角から投げる、或いはAVCCのためにコンテンツを作る
こちらは、COMPLETEという謎解きコンテンツの背景及び解説を主軸とする記事です。まだプレイされていない方はこちらのリンクからプレイしてから読むことをお勧めします。無理に自力で最後まで解かずに読んでも大丈夫です。
目次
十行後に解き方の解説をします。
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解説
これは、相手の返答から「さんぽ」の歌詞であることを見抜き、相手の言葉を補完する「あるこう」「わたしは」「あるくの」「どんどん」と入力することでクリアとなるというものでした。
では、どのようにしてこのようなコンテンツができたのでしょうか……
AVCCと背景の背景
ネタがない...!初代キノコは困っていた。去年の謎解き用語を懇切丁寧に解説する記事はまあまあ好評だったので、今年もそれに値する、或いはそれを超えるようなネタ記事を描かねばならないと思っていた。だがしかし、思いつかなかった。いや、正しくは、完成しなかったのだ。
元々は、「謎解きあるある/存在しない人」というネタ記事を書く予定だったのだが、記事を膨らませるほどのネタができずに*1終了してしまった*2。
また、他の人のように自分の好きなものを紹介するのはどうか?と考えたが、私の役割がそれではないことはある種明確である。私の趣味語りをすると、やや難しい将棋、麻雀、化学あたりの話になってしまうので、それは避けておきたい。同様の理由でLINEbot実装等の技術的な話も避けたいのである。
そうなると、何かものを書くということになるのかもしれないが、残念ながら私はAnnやij*3ではないので感動する短編など書けないのである。作り話はコメディーしか書けないし、そのコメディーもいいネタが思いつかないのである。
そんなとき、私の頭にある一つの天啓が舞い降りた。
「コンテンツ作っちゃえばいいんじゃね?ゴリゴリに癖の強い」
というわけで、癖強コンテンツ爆誕が決まってしまった〜〜
背景1〜3
背景1:フレンチを投げると思わせて寿司を死角から投げたい
タイトルにもある通り、この行為は一度やりたいと思っていました。つまり、「何か普通の良いものが来ると思ったら想定と全く違うものが飛んできた」という状況です。しかしながら、商業コンテンツでやると炎上してしまいます*4。そこで、個人コンテンツという形を取りました。
そして、大切にしたことは「フレンチを投げると思わせる」ことです。
このメインビジュアルは比較的ちゃんと作られています*5。少なくとも、ある程度きちんとした正統派謎解きが出てくると想定されたのではないかと思います。工作のようなポップな見た目から、紙を切るなどの操作を行うかもしれない、しかしながらそこまで難易度は高くない謎解きだと思ったのではないでしょうか。あるいは、「何があっても〜」のフレーズからエキスパート的な謎を想定したかもしれません*6。
もう一つは、「ちゃんと寿司を投げる」ことです。変なものを投げるとはいえ、くそ一枚謎一問では流石に面白くありません。そこで、「そんなことがLINE謎でできるの?」と思えてしまうようなものを用意しました*7。
背景2:有限塔の存在
https://liff.line.me/1645278921-kWRPP32q/?accountId=497emyfs
のコンテンツです。無限塔という姉妹作をプレイしてから挑戦することを推奨します。
有限塔のクリアツイートには、「どういうLINE実装をしてるんだ??」という内容のクリアツイートが散見されていました。これを見た時に、「もっと訳のわからない実装してえええ」と思い、こんなものが出来上がってしまいました*8。つまり実質有限塔がこれを産んだ。
背景3:OVERDOSEの存在
https://liff.line.me/1645278921-kWRPP32q/?accountId=999tjdfs
のコンテンツです。めっちゃオススメです。
このコンテンツを形式を作るにあたって大いに参考にしました。狂気的コンテンツが存在し、解説記事をもって完成するという形態です。この解説を書く際にも参考にしています*9。つまり実質OVERDOSEがこれを産んだ。
さあ、アンケート結果を見ていこう
すでに390人(執筆段階)もの方にプレイしていただきました。ありがとうございます。どのようなアンケート結果になったのでしょうか。
今回、各パラメータを五段階評価(1が最低、5が最高)で評価していただきました。
まずは難易度
「1.866666667」
意外と低いですね。もともとそれほど難しくはしなかったのですが、ここまでとは。私は2.5弱ぐらいに落ち着くのではないかと思っていました。おそらくですが、「わかれば一発、わからなければ泥沼」という形式だったのでわかった人にのみ表示されるアンケートでは低い値が出たのかもしれません
続いて満足度
「3.6」
意外と高いですね。いくつになっても文句は言えないコンテンツですので、みなさま懐が深い。ありがとうございます。5をつけた方はこんな変なコンテンツではなくもっと別のコンテンツに5をつけたほうがいいかもしれません。
次は意外性
「3.226666667」
そこそこの高さです。他のパラメータに対し、1〜5が割と均等にいる印象を受けました。もっと高くなる印象を抱いていたのですが、メインビジュアルがあまり広まっていなかったので仕方ないのかもしれません。
最後に訳のわからなさ
「2.64」
やはり成功者のみに表示されたアンケートなので訳がわからないという人は少なかったのかもしれませんね。ただ、難易度よりも高い値を示した分訳のわからなさは伝わったようです。
では、お楽しみ(?)自由記述の感想を見ていきましょう。全ては載せきれないのでいくつかピックアップします。
- クソ謎感が半端なかったです。面白かった!
クソです。ありがとうございます。
- LINE実装力が高っ!理系ならみなさん組めるものなのですか?
文理問わずやり方分かれば組めます。でも理系の方が周りでもやっているイメージ強いです。
- アラフォー以上には余裕だと思います。若い世代は苦労しそう。
制作者19歳らしいです。
- ひらめいてクリア出来てしまったので、「これは謎解きだ」となんとか自分を納得させることができました。
まあ一応謎解きではあります。世の中にはもっと謎解きっぽくないものがありますが、制作者が謎解きだと言い張ったら謎解きになるらしいです。
- つまらなかった…
ごめんなさい。
- 許しません
許さなくていいです。ちなみにこの方は満足度高めにつけてくださっていました。
- なんやねんこれ!!!
本能に正直で素晴らしいです。
- こんぷとさんぽの語感が似てるからとかいうクソな理由で作ったとか言いませんよね?
流石にここまで考えてませんでした。素晴らしすぎます。クソコンテンツはクソ思考を呼ぶらしいですね。
小ネタ
- 「敵は、先入観」について
二つの意味を込めています。
①メインビジュアル等から王道の謎解きだと思うと大怪我をする。
②LINE謎で今回のようなフラグ管理ができるわけがない!と思っていると絶対に解けない。
- 没メインビジュアルについて
実はハサミとカッターが外からのぞいているようなビジュアルを元々用意していたのですが、制作後に発表されたリドラのLINE謎に似ていたので没になってしまいました。
おまけ:どのようにしてこの技術実装をしたか
まず、通常の公式アカウントの機能ではなくLINE APIを用いています。設定方法としてはこちらの記事がわかりやすいです。
https://shiwehi.com/column/seisaku/022.php
これにより、ざっくり言うと「状態により返信を変える」が可能になります。
では、これの実装方法に参ります。
多くの方が、「どんどん」と送信したタイミングでそれまでの状態を参照してクリア判定をしていたと考えたかもしれませんが、それは誤りです。これは実装難易度が高いので、やっていません。
では、どうしたか。転落方式を採用しました。つまり、まずこちらが「あるこう」と送信するタイミングで「あるこう」と送信してもしなくても「あるこう」が返信されるのですが、「あるこう」と送信していない場合には内部としては絶対にクリアできない状態に転落しています。同様に「わたしは」「あるくの」でも同じ処理をしています。一度転落するとループが終わるまで復帰できないので、そのループではクリア不可能になります。そして、「どんどん」と送信するタイミングで「どんどん」と送信した時に、転落状態でなければクリアと判定されます。そして、転落状態だった場合はループして初期状態に戻ります。
終わりに
今回は上記の趣旨の作品なので自由にやりましたが、基本的にはミスマッチはあってはいけません。ですので、今後は普通の謎解きではないことを表すラベリング(レーベル?)を作ろうかな〜と思っています。多分次の変な作品で出てくると思います。
*1:この時少し不調だった。
*2:あるあるに「司会に紙を渡しに行く謎の人」存在しない人に「一緒に楽しめないと判断されて途中で退席させられる人」などをおもしろく書く予定だった。
*3:アナビやSTOROBOXで文章を書いている同期たち。とても良い文章を書く。
*4:ちなみに、僕は一時期アナビでこれをやりたいと思っていた。よくないね
*5:ガチデザイナーの皆様、これはしょぼいという意見は受け付けていません。
*6:これ、クリア画像をあげていない感想ツイート経由でプレイされた方にはあまり伝わらなかったようですね……次に狂気的コンテンツを作るときはそこも対策します。
*7:まあ強いクソ謎の遺伝子は受け継いでいます。
*8:一番最初にCOMPLETEを作ろうと考えた要員はこれなのですが、その時の脳内では普通に「宇宙謎系統が出るぞ!」と言って告知をするつもりでした。
*9:そして狂気的コンテンツを世に出しても良いという確証にもつながりました。